八重洲無線 FT-ONE オーバーホール修理
YAESU FT-ONE オーバーホール①
電源ユニット
八重洲FT-ONEのオーバーホール依頼となります。コンデンサの劣化が顕著のため電源ラインから総当たりで105℃の同容量品に交換していきます。ブロックコンデンサの穴をスナップインタイプ(穴ピッチ10mm)が入るよう穴開け加工しコンデンサ底部を防爆弁が塞がらないよう4隅にコーキング材でしっかり固定させ、その後ランド面の配線・補強を行いました。
※電源ユニット分解を行う際は磁気シールドと基板がはんだ溶接されているので高熱容量のコテがないと取外しが難しいです。
電源ユニット外観
ランド面再はんだ
コンデンサ挿入穴加工
交完了換
YAESU FT-ONE オーバーホール②
PAユニット
高周波増幅用トランジスタのショートモード故障につきタンタルコンデンサが焼き切れてしまった状態からの修理です。
高周波用トランジスタは4枚の羽で基板と固定されており取外しには熱容量の高いはんだこてが必要です。
※高周波用トランジスタ交換にはあらかじめ立体配線された周辺部品を取り除く必要があるため、作業前にはサービスマニュアルの取得又は写真を撮ることを強くお勧めします。
100WPAユニット外観
トランジスタ取付け
トランジスタ取外し
立体配線での再組立て
YAESU FT-ONE オーバーホール③
AFユニット
タンタルや85℃品の電解コンデンサを105℃品に置き換えていきます。
できるだけ長く動態保存できるようフィレット形状の仕上がりを均一にしつつはんだ付けを行っていきます。
コンデンサ交換完了後、極性を再度確認のち作業完了です。
AFユニット外観
半田面仕上げ
コンデンサ交換完了
YAESU FT-ONE オーバーホール④
RFユニット
こちらも105℃電解コンデンサに置き換え処置をしていきます。
RFユニットはシールドケースまた磁気対策として両面基板の外枠を囲うようにGNDパターンが施されています。
このようにこて先が入りにくい場所が多数あり、かつはんだこての熱容量が必要な配線パターンがある場合は市販されている通常の温調コテでは部品交換が難しい場合があります。
※高熱容量のこてとワークステーションタイプのはんだ吸取り機を使うことで基板を熱による劣化を防ぐことができます。
交換前部品面
交換前はんだ面
交換後部品面
交換後はんだ面